事業を安定的に進めるうえで重要になるのが「融資」です。必要な資金を調達できるかできないかで、事業の運営方法が変わってくるからです。

そのためにも、「今、どれくらい借りられるのか?」ということは、気になるでしょう。

今回は、「金融機関が考える借入限度額の目安」の計算方法についてお伝えします。

償還年数から計算する

計算式 (税引後利益 + 減価償却費)×10

償還年数とは、債務を全て返済するのに必要な年数で、債務を年間返済可能額(税引後利益+減価償却費)で割ることで計算できます。

担保や保証人の有無、取引年数、取引先との関係性を考慮しない場合、金融機関が貸出可能金額の目安としているのが、「年間返済額の10年分」です。

通常、償還年数の適正な水準は5年以内ですが、一般的に融資限度額を計算する場合は、償還年数を10年で考えます。

月商や年商(月商倍率)から計算する

計算式 月商(年商÷12)× 1~6か月

金融機関の人間が、感覚的に用いている「借入限度額の目安」を計算する時に、よく使われる方法です。借入限度額を月商倍率で計算する場合は、業種業態によって範囲が広がりますが、だいたい、月商の1~6か月を目安としています。

営業利益率や経常利益率の高い業種の場合は、長い期間(5~6か月)で計算しますし、低い業種の場合は、短い期間(1~2か月)で計算します。

経常利益から計算する

計算式 過去3年分の経常利益の平均 × 50%× 7

融資に対して、厳しめの対応をする金融機関の場合、こちらの計算方法を使って融資限度額の目安を計算します。

「経常利益の50%」というのは、税金支払いを考慮した金額であり、「税引後利益」に近い数字になっています。上記2つの計算方法に比べて、少なめの数字になります。

経常利益が右肩上がりになっている場合は、後ろの倍率が7倍より増えてきますし、右肩下がりになっている場合は7倍より少なくなります。

いかがでしたでしょうか。思ったより少ない金額でしたか?それとも予想外に多かったでしょうか。

金融機関の考え方を、ある程度把握しておけば、スムーズに融資をしてもらうことができます。 融資を申し込む際は、事前に一度ご相談ください。